「ちょっと待って!」

ヤマト君が意を決して何か言おうと口を開いた瞬間、私は言葉を被せてそれを言わせなかった。

「ゴメンちょっと待って。まずは私の話を聞いて?」

開きかけた口を閉じて神妙に頷いてくれた。

良かった。機嫌を悪くした様子はなく不思議そうなだけだ。

「あの…変な事言うようだけど…今すぐは返事をしないでほしいの」

「え?でも俺は…」

「待って!お願いだから待って!」

再び開きかけた口を閉じるヤマト君。

何がなんだかワケわかんないって顔をしている。

そんなヤマト君を見ると申し訳なく悲しい気持ちになったけど、どうしても今すぐは言ってほしくない。