歩きながら辺りを見回したヤマト君は、橋の中ほどにいる私達に気づいて少し背筋を伸ばした。
「あ、気づいたね。じゃあ健闘を祈る!」
最高の笑顔を浮かべつつ私の肩をポンポンと叩いてアイはヤマト君が来るのとは逆側へ橋を渡って行った。
気が付けばいつの間にか胸の前で両手を重ねていたので、ゆっくりとほどいて自然に腕を垂らす。
しっとりと汗をかいていた手のひらを風が乾かしてゆく。
こちらへ向かって来るヤマト君に体ごと向き直った。
目が合う。
そのまま歩いて来る。
二人とも目をそらさない。
世界から音が消えた。
視線を合わせたまま手を伸ばせば届く距離で無言のまま向かい合った。
「あ、気づいたね。じゃあ健闘を祈る!」
最高の笑顔を浮かべつつ私の肩をポンポンと叩いてアイはヤマト君が来るのとは逆側へ橋を渡って行った。
気が付けばいつの間にか胸の前で両手を重ねていたので、ゆっくりとほどいて自然に腕を垂らす。
しっとりと汗をかいていた手のひらを風が乾かしてゆく。
こちらへ向かって来るヤマト君に体ごと向き直った。
目が合う。
そのまま歩いて来る。
二人とも目をそらさない。
世界から音が消えた。
視線を合わせたまま手を伸ばせば届く距離で無言のまま向かい合った。



