わずかな月明かりが差し込むだけの暗い体育館に一人残されたケイゴはある事に気付いていた。

先ほどあの男は『コンビニに立ち寄る事は予知していた』と言った。

つまり彼らはどの程度かはともかく未来が予知できるの存在だという事。

それとサナエとの別れの言葉と自分との別れの言葉の違い。

ケイゴはある予感を感じながら彼に視線で示された段ボール箱に近づいて中を覗く。

箱の中の物が何か分かり、ああやっぱりかと思う。

昨夜から犯した数々の犯罪行為はどうせ死ぬと思ったから犯したのであって、死なずに済むなんてその方がケイゴにとってむしろ悪夢である。

もうイヤだった。

何もかもから逃げ出したかった。