静かに私は二人を観察し続けた。

先に動いたのはサナエさんの方だった。

ゆっくりと目を開け顔を上げて不思議そうに周りを見回す。

何も変わってない事に戸惑いを隠せない様子だ。

「あの……私達もう死んだんですよね?」

サナエさんが私に質問してくるが、サナエさんが一声上げた瞬間ケイゴ君が目を開け驚いた顔で私達を交互に見た。

「何だ?何も変化して感じねぇんだけどアンタひょっとして失敗したのか?」

何も変化して感じないのはそれはそうだろうさ。

「いいえ。失敗どころかむしろ大成功ですよ」

「あ、実感ないけどやっぱり私達もう死んだんですね」

「それも『いいえ』ですねぇ」