明日死ぬ

「ありがとうございましたサナエさん。大変よくわかりました。アナタは大変有意義な最後のヒトトキを過ごされたのですね」

こちらにとってはいささか退屈な程に。

安心させるように微笑んでみせると微笑み返してくる。

「こちらこそこんな時間をくださってありがとうございます。
おかげさまで最期なんだからと色々思い切れました」

「それは(どうでも)良かった」

内心を隠しつつ再び微笑み合う。

「では次に……」

ケイゴ君に向き直りながら手を差し伸べる。

「アナタの記憶を伺いましょうか」