体育館の中で私が闇に沈んで待っていると、先に扉を開けて入って来たのはケイゴ君の方だった。

てっきり時間いっぱいまで馬鹿な事をしでかし続けると思っていたので意外だ。

もう姿を現しても良かったが私はサナエさんが到着するのを待つ事にした。

二人揃ってからなら説明も一度で済む。

それからいくらも経たない内にサナエさんもケイゴ君の開けた扉から入って来た。

二人は少しだけ言葉を交わすと黙り込み、物思いに耽りながら待つ体勢になった。

時刻はリミットの十五分前。時間に几帳面な方々の相手は待たされないのがとてもイイ。

そろそろ行きましょうか。

私は纏っていた闇を払い彼らの前に姿を現した。