結局警察は捜査において三崎氏の事件からも事故からも特別な物は発見するには至らず、双方とも被疑者死亡のまま通常の手続きがなされ、当事者とその関係者以外からは速やかに忘れられていった。

事故現場はしばらくの間、地元学生らにオカルトスポットとして有名になったがそれは無責任な誰かが言い出した幽霊が出るという噂のせいであって『本当に』オカルト的何かが介入した事故だからではなかった。

そんな事故現場には一年間もの間、何者かによって花や缶ジュース等が絶える事なく供えられた。

誰にも真相を知られる事もなく事故は過去のものになっていった。



―とある不運な老人の場合·終―