一個八十円から百円のコロッケを三種類買った。

ついでに自販機でお茶も買う。

商店街のそこかしこにあるレンガで作られた膝丈の花壇の縁に腰掛けて早速コロッケをパクつく。

旨い。

人間どんな不幸な状況でも旨いモノを食べている時だけは幸せだと何かで読んだが本当だ。

もうすぐ死ぬというのが意識のどこかにあるせいか、食べ慣れたコロッケが涙が出そうなほど旨く感じる。

できたてでアツアツサクサクのコロッケを夢中で食べると三つ買ったコロッケはすぐになくなった。

しかし幸せなのは食べている間だけだった。