「これを渡して下さい。」
「これは…?」



その質問には答えず頭を下げ来た道を戻った。



「静音さん!」



背中で聞こえたお父さんの声はどこか琥宇桜に似ていた。





琥宇桜ー…


こんな事しか出来なくてごめんね。


お見舞いに行ってあげられなくてごめんね。


傍にいてあげれなくて……ごめんね……。




そして、私を嫌いになって下さい。


薄情な女だって……


私を憎んで下さい。


こんな事しか出来ないから・・・・・



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