かけがえのない唄

「これは予約、ね」




純はそんな意味深な言葉をいう。冷静なんて言葉とかけ離れた状態にいたあたしに意味が分かるわけがなくて。




「よ、やく?」



あたしは反復しか出来なかった。全然頭がついていかない。



頭のなかがあつくって、
頭の回路はショートしてしまって、



なんだかふわふわした感じ。





「やべー俺、まじ独占欲強いわ」



「……へ?」




ワンテンポ遅れて反応する。




「妃菜を誰かにとられるとか、まじ考えたくないし」







そして一瞬にして真剣な顔になった。




「今まだ無理だけど、妃菜が大学卒業したら」




純の言葉が止まった。
あたしは、じっと純をみて次の言葉を待つ。




どくん、どくん




ものすごく心臓の音が煩くて、純にも聞こえてるんじゃないかって心配になった。