かけがえのない唄

───……



「絶対、反則だって!!」



スタッフさんとかマネージャーさんとか交えて、純とあたしの家で打ち上げパーティー。



いつのまにかライブとかの後はあたし達の家で打ち上げパーティーをするのが恒例になっていて。




「だって驚かせたかったんだもん」




「絶対、あたしの誕生日忘れてるんだと思ってたのに…」



全くあたしの誕生日に触れないし、忘れてるんだとばかり思ってたのに。




「はぁ?忘れる訳、ねーだろ」




「うわーお。いつもスケジュールとか忘れてる純でも妃菜ちゃんの誕生日はおぼえてるんだー」




「うるさいなーマネージャーは」



「いやいや、彼女は大切にしなきゃダメだもんねー」



「何が言いたいんだよ?」



「いやー別にー?」



いつも純とマネージャーさんはこんな感じで、あたし達は遠巻きに見て、笑ってる。




一緒にいれる時間があるから
あたしは耐えられてるのかも。




「でもさー妃菜、リアル泣いてたよなー」




「ちょっと健ちゃん!!それは言っちゃダメだって!」



あまり触れて欲しくない話題を何故掘り出してくるのだろう。




「あたしが『泣いてもいいよ』っていったら壊れちゃったね、涙腺が」



加勢するように紅実が追い討ちをかける。