「美優ちゃんセンスよすぎでさ、いつものプレゼントより何倍もいいよ」



いつも紅実からの誕生日プレゼントは多分受け狙いだろうと思われる不思議なもので、いつも使えず意味もなく飾られるという運命にあった。




「あ、それは、美優ちゃん様々だねー」




「いや、そんないいものじゃないって」




「……いや、紅実がくれる誕生日プレゼントは、ホント不思議だから」




「あ、妃菜ひどっ!!」




「まー事実だし」




「それを言うな、それを」



あたしと紅実がいいあって美優ちゃんが笑ってる。




全く嘘をつかなくていいこの空間はとっても心地いい。




多分、紅実も美優ちゃんも嘘をつかなきゃいけないはずだし、何も言わないけど疲れてるのだと思う。




二人も頑張ってるんだから、あたしも頑張んなきゃなと自然にそう思えた。




「このチケット!!」



突然美優ちゃんがびっくりしたような声を上げた。




「ん?どした?」



「妃菜ちゃん、ねぇこのチケット、一番前の席じゃない?」




「あーいつもそーだけど?」



たまによんでくれるライブでいつもあいつらは一番前の席をくれる。



初めてのことでびっくりしてる美優ちゃんがなんか可愛く見える。




「そーなんだー」



「じゃー出陣といきますか!」



紅実の意味不明な言葉によってあたし達は会場内へと足を進めた。