【短】間違い電話からはじまる恋



初めての間違い電話から、2ヶ月が経とうとしていた。


「俺、奈保のこと好きになってしもたわ」

「はっ?」


深夜0時すぎの電話。

体が一瞬にして火照った。


冷たくなった足の指先。

時を刻む秒針の音。

さっきまで気にしていたことが、全部吹き飛んだ。


「なぁ…。どうする、奈保?」

「どうするって言われても…。冗談でしょ?からかわないでよ…」


こんなの、嘘に決まってる。

本気にしちゃだめ。



私、遊ばれてる。