【短】間違い電話からはじまる恋



「まぁこれも何かの縁やし、話そうや!」

「ええ?」


関西人は、みんなこうなのだろうか。

私は、名前も知らない相手と話す羽目になってしまった。


「友達にかけたつもりやったんやけど、番号が変わっとったの、忘れとったわ!」


そう言って、彼は大きな声で笑った。

私は、頭の中を整理する。


「じゃあ、その友達の前の番号が、今の私の番号ってことですか?」

「そうそう!すごいな、俺ら!運命かもしれへんな!」


運命なんて言葉を簡単に口にする彼は、きっと軽い人。

でも、彼のノリの良さが面白かった。


たったそれだけ。