右耳に響いた低い声が、体中を蝕んだ。
私の背中を撫でる瞳の手だけが、私の救いだった。
「そっか。そうだよね。いきなりごめんね…」
「ごめん。バイト入ってんねん。店長がめっさ腹立つ奴でな、抜けられへんねん。ごめん。電話、ありがとな」
最初も最後も「ごめん」ばかりの電話だった。
そして、彼の言葉から「また」という言葉は放たれなかった。
瞳の前で、いっぱい泣いた。
本当は期待していたんだ。
私のことを好きだと言った彼に、淡い期待を抱いていた。
だけれど、それは期待のままに終わった。
好き以前に、彼は私との約束を覚えていなかったんだ…。
電話を切ったその瞬間、私の恋が終わった。

