【短】間違い電話からはじまる恋



「今、どこにいると思う?」


そう切り出したのは、沈黙に耐え切れなくなった頃だった。

今まで沈黙が流れることなんて、一度もなかった。

もうそれくらい、私とシンイチさんの間に、大きな溝ができてしまっていたんだ。


本当は、私のことなんてもう忘れてた?


私の不安な思いとは裏腹に、夜は更けてゆく。

明るい街とは対称的に、真っ暗な空。


瞳は、タオルを首にかけたまま、眠らずに見守ってくれていた。

ここ、ふたり部屋で良かったな…。