「シンイチ?うちの学校じゃないんだね。大人の人?」 私の電話帳に入っている名前は、全てフルネームで漢字表記。 その中で唯一カタカナ表記のその名前を、瞳はどう思っただろう。 私が瞳だったら、聞いてしまうかもしれない。 でも、瞳はそんなことは一切問わなかった。 ただ、複雑にからまった気持ちの糸を瞳はゆっくりとほどいてくれた。 「うん、大学生…」 小さく口を開いて答える私に、彼女は見透かしたように言った。