ホテルから見える夜景は、とても綺麗だった。 昼なのか夜なのかが分からないくらいに明るい光が、私には眩しすぎた。 この光の中に、シンイチさんがいるの…? 私の手の中には、携帯電話が握られていた。 ディスプレイには「シンイチさん」の文字。 このボタンひとつで、私は彼と繋がる。 でも、なかなか押せずにいた。