戴帽式が終わって何日かたった頃、郵便局に行く用事があった。すると市民の俳句の紹介コーナーがあり、そこである俳句を見つけた。

「天高く 戴帽式の 少女らに」

ナースキャップをつけてもらい、なおいっそうナースへの道に夢を抱く私たち。秋の空を見上げると、鱗雲が遙か彼方に見える。私たちの志も、この秋の空のように、どこまでも高い。夢と希望に満ちた19歳。この俳句を書いてくれたのは、おそらく私たちの戴帽式に出席してくれた人だろう。

「立派なナースになって欲しい。」

そう願いが込められているに違いない。私は、

「きっと立派なナースになる。」

と、あらためて誓った。