夕食を食べ終えた後、9時15分から茶道室に一年生全員呼び出され、寮長から寮の規則について、説明を受けた。門限は9時15分、門限破りは寮内放送で自分から門限破りをしたことを発表してみんなのさらしものになったうえ、風呂掃除一週間と、教務に報告がいくという罰則だそうだ。それから毎日9時半に茶道室に集まり、「ナイチンゲール誓詞」を暗唱すること。寮内では二、三年生はサンダル履きだが、一年生はスリッパしか履いてはいけないこと。掃除当番を貼り出すので、当事者は朝6時から掃除をする。掃除を7時までに終わらせていなければ、清掃委員が一度だけ部屋に呼びに行くが、それでも掃除をしていなかったり、掃除の仕方が汚かったら、一週間その場所の掃除を連続して行ってもらう。一年生と二年生は食事当番と日直を交代でする、など細かく説明された。だが問題はここからである。一年生は前髪をあげて、おでこを出すこと。胸にマジックで名前を書いた布をつけておくこと。先輩と廊下ですれ違う際は、「おはようございます」「こんにちは」「おばんでございます」と、立ち止まって頭を下げながら言うこと。お風呂に入るときは入り口で、「おばんでございます。私は○○高校出身、部屋は△号室のなにがしでございます。よろしくお願いします。」と言ってから入り、お湯を体にかけるときは「お湯ちょうだいします」と一回一回言わなければいけないこと。寮と学校はつながっているが、休み時間など勝手に出入りしてはいけないので、一年生が交代で朝寮の鍵をかけ、そのとき「じょっぴんかりま~す」と大声で何度も叫ぶこと、明日から10日間くらいかけて各部屋ごとに先輩の部屋に訪問し、自己紹介と芸を披露することを説明された。この会議が終わった後、一年生全員げんなりしてしまった。