ようやく提出が受理されるまで、一週間くらいかかった。さらに実習中は、「1号紙」「2号紙」「3号紙」というのがあって、1号紙は自分の受け持ち患者さんの基礎情報を綿密に書く。病気だけではない。家族背景や職業、それまでの暮らしぶり、はては宗教まで詳しく書く。なぜその病気になったのか、生活習慣に問題はないか、改善点はないかなどの情報がないと、看護計画が立てられないのである。情報はカルテはもちろん、本人、ご家族からも直接お話しを聞く。また日々の看護記録からも、現在どういう病状かを知ることができる。看護は情報収集から始まるのだ。ちなみに情報を得るためには観察力が必要だから、もとい、看護は観察から始まる。だから1号紙は詳細に書かなくてはならない。本当はどんな情報が看護に役立つかを知っていれば、必要なことを無駄なく情報収集し、何を観察したら良いかも見えるのだが、初めての実習でそこまでできる者はいない。だから実習に行ったら、まずはカルテと看護日誌から、むやみやたらに載っている情報をメモしてくる。それを1号紙に書くので、膨大なレポート量になる。そして2号紙は、看護計画である。1号紙で得た情報を分析し、患者さんの個別性のある看護計画をたてる。だが実際に病棟で立ててある看護計画の丸写しは駄目で、自分で綿密に立てる。だが今回は初めての実習なので、2号紙は無しである。二日間の病院実習なので、看護計画など立てられない。この実習の目的は、病院でのナースの動き、看護の流れを知り、生の患者さんと接することにある。さらに実習中は、その日に自分が何を行い、その行為について文献で調べ、違いだとか、看護の方法だとか、行為の根拠などを詳細にまとめる3号紙を書く。この3号紙は毎日提出だ。