私は髪はオールバックで、金色のスプレーが無かったので、黄色のスプレーで代用して、大急ぎで髪全体にスプレーした。顔は白くする方法を考えた結果、歯磨き粉を塗ることにした。歯磨き粉はまるまる一本使ったのだが、頭のてっぺんが爆発しそうなくらい、ひりひりした。たすけは顔の模様をつけるのに、口紅で模様をかいて、真っ赤に塗りつぶした。私は黒いゴミ袋をマントにして、アルミホイルでつくったパンツをはき、たすけは段ボールでつくったギターを持ち、いざステージ上に出た。「キャー」という声が響く。してやったりである。こうして二年生の出し物は、大盛況で終えた。ちなみに三年生であるが、全員で歌を一曲歌うという、寂しい出し物だった。だが問題は後始末である。後始末とは自分の顔のことで、歯磨き粉を顔面に塗りたくったおかげで、その日は寝るまで全身がメンソールに浸かったような感覚だった。たすけは口紅を塗った模様の通りに顔の皮膚が腫れ上がり、3日くらい、ヘビメタのままの顔で過ごす羽目になった。

 学園祭後、写真が貼り出された。アルフィーの写真は購入者が殺到していた。ちょっとうれしかった。こうしてつかの間のハイテンションなお祭りは終わった。