土曜日。昼の12時に授業は終わるから、12時半に滝谷さんは迎えに来ることになっていた。私はわくわくしながらお洒落して化粧して待つ。みんなは外泊する者半分、寮に残る者半分で、私に

「ちゅうも外泊すんの?」

と聞いてきた。

「いや、夜帰ってくる。」

「はー、なるほど、デートだね?しっかしちゅうが男とつきあうなんて、摩訶不思議な気がする。」

何を失礼なことを言うか?と思ったが、私は二年生の中では活発で、毎日ギャグ連発で、あちこち遊び回っている。色気などまるで無いから、そう思われても当然だろう。

 外でクラクションの音がした。窓の外を見ると、滝谷さんだ。私は走って廊下を降りた。そこで一年生とすれ違う。

「先輩、最近きれいになりましたね。」

と言ってきた。

「な~に言ってんのよ。」

と一年生にボディブローを軽く入れる。なぜに後輩までバレバレなんだ?

 滝谷さんの車に乗り込むと、

「食事しに行こう。」

と言う。

「うん。」

と返事し、私は期待する。