ガサガサ!!


「きゃあ…!!」

カァカァカァ…カラスか…;びっくりしたー。ていうかここどこ…?

真っ暗でなにも見えず山の中に入ってしまったみたいだ。

「あ〜あ。翔たちは見つからないし道わかんないしどーしよう」


ひたすら歩いても暗闇が続くだけ。

「寒っ」

夏に入る前の梅雨の風はすごく冷たく、半袖では寒かった。

「もお…やだ…」


ポタッポタッ…ザーーーッ!


「えっ?雨!?」

いきなりの豪雨に驚きながらも走る私。

「雨宿りしなきゃ…暗くて何にも見えないよー…」

雨でぬかるんだ土道は足を取られて走りにくかった。



「…って!?きゃーーーー!!」


…………?

「いっ…痛っ……;」


崖から落ちた…?足が…;

雨は降り続き、私は足を怪我して動けなかった。

雨と泥でびしょびしょの私。それに崖から落ちた衝撃で足が動かないし、どうしよう…。


翔には冷たい目で見られるし…カレー作りはできないし…足は怪我するし…何にもいいことがない。

「…っ…何か…泣けてきちゃった……ッ…う」


雨か涙かわからないけどびしょびしょな顔を必死に拭いた。

なんか頭がボーーッとしてきた。
「…なんか頭あっついや…」


バタッ――


そのまま私は倒れた。