茂みから現れたのは‥獰猛な狼らしき生物達の群れだった。


漆黒の防寒性のありそうな毛皮‥三日月のような、金色の眼。ギラギラとした鋭く大きな爪と牙、何故か額から角。狼なのに銀色の甲冑具を身に纏い、大きさが‥仔牛くらいある。


(え‥‥また新たな合成獸登場!?しかも、下手したら今晩の晩御飯になりそうなんだけど!うわっ‥涎が‥!)


慌てて、近くに落ちていた木の枝を振り回すが‥狼達は逃げるどころか、今にも嘲笑いそう。

ふいに腕に痛みを感じ、刹那が見ると‥左腕に、一本の裂傷が走っていた。いつの間に引っかかれていたのだろう‥鋭い痛みに刹那は顔を歪めた。