BLOOD,CHAIN.

「え‥‥傷が‥‥?」


マジマジと、傷があった場所を触ったり‥なぞったりするが、傷口は綺麗に消えている。驚く刹那に対し、青年は‥やはり無表情のままだ。


「《フィルム》って言ってね‥簡単な傷なら完治出来る医療道具だよ。さてと、これでお互い何も邪魔もなく会話が出来るね‥暁 刹那。」


クスリと、初めて見せる青年の微笑に‥刹那はハッと我に返った。


「あの‥何でオレの名前を知ってるんですか?初対面ですよね、オレ達。」


「うん、僕達は初対面だよ。でも僕には情報提供者がいてね‥そいつから、キミの事を聞いたのさ。」


「はぁ‥‥。」


何とも、気の抜けた声で‥溜め息に似た返事をした刹那の頭に‥青年のゲンコツ炸裂!!