BLOOD,CHAIN.

その冷視線に、刹那は体を強ばらせつつ‥恐る恐る話しかけてみた。


「あ、あの‥助けてくれて‥
ありがとうございました。」


控え目に、機嫌を伺うように言う刹那。そんな刹那に、青年は無表情のままだ。青年の視線は‥怪我をした左腕に向けられている。青年は、あろう事か‥その左腕に脚を乗せたのだ!
もう脚を乗せるというか、踏みにじっていると言える。


「キミさぁ、本当に刹那かい?確かに情報通り、赤毛に橙色の瞳だけどさ‥あんな犬っころに傷なんてつけられて。」


「いたたたたっ!ちょっ‥お兄さん、踏んでる――!!」


「当たり前でしょ、お仕置きなんだから。」


クールな見掛けによらず、彼は随分とSな性格らしく‥初対面の刹那の左腕を、満足するまで踏むと‥漸く脚をどかした。