上映中は ひたすら映画に集中しようとしたが、一瞬でも 朝の彼に見えてしまったことが頭に引っかかり、無意識にチラチラみてしまう。


そんな彼.....寝ています。


んー....。でも何かピンとこないんだよなぁ。
似てるけど 確信がない。

急に
“私の家の前 毎朝通ってますか!?!?”
なんて 聞けないし。

逆に私のことも知らないっぽいし....



そんなことを考えてる間に映画はエピローグに入ってしまった。

客が次々と帰ろうとしているのだか、

隣の彼....熟睡...??


チラッと杏奈達の方みると もぅ劇場の出口に行こうとしてるし。

これは私が起こさねば。

でも 寝起きってみんな恐いんだよね...

でも 早く帰りたいし。

『あの~...』

っと トントンと肩を突っついた。

「あ゛!?」

ビクッ!!
ほら~(泣)寝起き悪い~!!

「...あー悪い。寝ちゃったのか。悪いな。出ようぜ」

ビビった私に気づいたのか 少し口調を和らげて彼が言った。

彼がさっさと行くのを追いかけ私も劇場をでた。
映画館の入り口に向かうため(杏奈たちと待ち合わせ場所)階段を下りてると ふと彼が私を見上げた。

少し距離をあけ 歩いてたため 3.4段 段の数はあいていて、彼がさっさと行ってしまうので 私の方が上の段にいる形。


一瞬 目が合った。


好きだと思った。今の一瞬が。

そして 確信した。

秀一くんが朝の彼だと。