私の後ろに立っていたのは、20代後半位の見知らぬ男性。


「海に物を投げたらダメだよ!」


と、笑顔で言いながら、落ちた指輪を拾った。


「それに、これ大事なものなんでしょ?さっきからずっと眺めてたから!」


「はい!」と満面の笑顔で私の前に指輪を差し出した。


私は突然の出来事にびっくりして、受け取る事ができず指輪をボッーと見つめていた。