君への距離~あなたに一番近い場所~

「あ…あの!」


奏に手首をつかまれたシオはびっくりして振り返る。




「あたし…ずっと、中塩くんのこと…



中塩くんのこと好き。」




道路の真ん中での突然の告白にシオはもちろん、道行く人たちもびっくりして見ていた。


「あ、あのさ俺、彼女いるんや…」


「…坂上さん?」


「あ、ああ。だからごめん!」


「あたしのほうが、中塩くんを幸せにできると思う…


あたしは野球をやってる中塩くんが好きだから…」




「いや、だけどごめん…」





奏は泣きながら走り去っていった。