君への距離~あなたに一番近い場所~

駐輪場から二人は歩いてグランドに向かっていた。




「あっ!杏ちゃーん」
麻耶が前から手を振りながらやってきた。




「風邪?もうすぐ大会あるのに大丈夫?今日は来る?」

麻耶は目を輝かせている。


「あ…今日はムリです…」




「あっれ?杏ちゃんやん!おはよ!」

麻耶の後ろから五条がひょっこり現れた。



二人は同じ学部だ。





杏は真っ青な顔で黙りこんだ。




五条がニヤリと笑う。
「ダメじゃ―ん、練習来ないと!」




杏、
「…」



「彼氏に心配かけちゃあかんよ~」

五条はケラケラ笑って杏の肩をポンポンと叩いた。




杏は微かに震えていた。


(まさか…)
翼は五条を食い入るように見つめた。




「じゃあ風邪ちゃんと治してから大会に望んでね!」



そう言って麻耶と五条は去っていった。