杏は玄関の扉に濡れた背中をくっつけて泣いていた。




(翼くん…)



杏は小さな子どものように声をあげて泣きじゃくっていた。



(翼くん…


そばにいて…



でも、
こんな姿で会えない

きっと嫌われちゃう…


翼くん!!)




杏はそれから朝まで泣き続けた。