「おと-ん!」


かん吉の脳裏にふと懐かしい声が響いた。

愛しくて愛しくて仕方ない声。

忘れたくても忘れられない…


娘の声だ。



「おと-ん!こっちやで-!!」

大阪駅まで迎えにきてくれた妻と娘。

通りをはさんだ向こう側に妻とその車が見えた。

娘が走ってくる。