マサキのマンションの階段を上がっていると、杏がピンときた。



「待って!」

先に上がっていた翼の腕を掴む。


「え?」
翼は振り返る。



「みんな、翼くんの誕生日パーティーするのかも!」


「あっ、今日誕生日か!!」



「ダメ!ちょっと待って!!」

杏は焦ってバックをゴソゴソして、何かを取り出した。



ブルーのリボンが結ばれた白い袋が出てきた。



「お誕生日おめでとう!


みんなに言われる前に一番最初に言いたくて…。
本当は帰りに、別れ際に言おうと思ってたんだけどあいつらが!!

だから今渡すね!

はい!!」