私だけのスーパーマン






「洋くん…『言われなくても分かってます』

洋くんは言葉を遮る。



『どうせ、断るつもりなんでしょう?


前に言いましたっけ?

俺、相当諦め悪いんです。


それだけは覚えておいてください


じゃ、俺講義あるんで。』


洋くんはそう言って頭を下げると私に背を向け歩き出した。


急に、寒気がした。

今、少しだけ恐怖を感じてしまった。


洋くんのあの目に。

洋くんのあの言葉に。


手が震え出す。



『おい、すみれ。

いつまでそこにいんだよ?


講義…始まっぞ』



肩に手を置かれ、タカの声が聞こえたとき手の震えがおさまった。



「あ、うん」

それだけ返事をし、タカの後ろを歩く。


なんでだろ。

コイツがいるだけで、すごく安心する。



アレかなぁ…?

ずっと、そばにいたからなのかなぁ…??