『どうして、一方的なんですか?
なんで、そうやっていつも俺を突き放そうとするんですか?』
子犬のような潤んだ瞳で洋くんは私を見つめる。
『あ、いや、いいんです。
俺…聞きましたから。』
洋くんはそう言って頷きながら腕を組む。
聞いた…?
なにを…??
『姉ちゃんが言ってました。
俺と自分じゃ釣り合わないってすみれさんが言ってた、って。』
ゴクンとツバをのみこむ。
あ、綾…
また勝手に…
『やっぱりすみれさんは一方的です。
決めつけないで下さい。
釣り合うかどうかなんて分かんないじゃないですか。
だから俺と…付き合ってください!!』
ここでまた、告白。
洋くんの言うことも一理ある。
でも、確かだ。
私と洋くんが釣り合わないことは。
根拠なんてないけど、絶対釣り合わない。


