私だけのスーパーマン






やっぱり、私の予想通り。



「あの人は…私の……」


まだ、迷いがある。

本当のことを洋くんに言っていいのか。


それでも、言わなければいけないことがある。

それは避けることのできないモノで。



「奥寺さんは私の…」


もし、本当のことを洋くんに伝えて、
洋くんが傷ついたとしても、

それでも、伝えなければならない。



「あの人は私の、お付き合いしてる人…です」


この言葉を聞いた瞬間、洋くんは食堂を飛び出した。

声をかける隙もなくて。



こうなることは分かっていた。


なのに、どうしてだろう。

胸が、ほんの少し苦しい。



ごめんね。

ごめんね、洋くん。


やっぱり私はあなたのキモチに答えることはできない。



ごめんね。

ごめんね、洋くん。


あなたのキモチ、本当に嬉しかった。



ありがとう。

洋くん。