「遅れてごめんね、洋くん」
『いえ、全然いいっすよ』
あれから、講義が終わってもタカはうるさくて。
で、気づいたらお昼休みが10分も過ぎてて。
急いで食堂へやって来た。
『呼び出したりしてすみません』
いつも明るい洋くんがほんの少し、暗くて。
「いいよ、全然」
私はニッコリと微笑んだ。
洋くんの言いたいことは分かる。
それに私がちゃんと答えなければいけないことも分かってる。
真っ正面からぶつかってくる洋くんを私は受け止めなければいけない。
『俺、遠回しに聞くとか苦手なんで…
だから、はっきり言います。
そして…すみれさん。
俺の質問にはっきり答えて下さい。』
正面にいる洋くんに瞳を捕らえられる。
『この間、大学の前にいたサラリーマン風の人はすみれさんとどんな関係なんですか?』


