『今日、食堂で待ってます 洋』
講義の途中で携帯が震えた。
中を見ると洋くんからのメールで。
きっと奥寺さんのこと、聞かれるんだろうな。
ま、当たり前って言ったら当たり前だよね。
なんて言い訳したらいいんだろう。
洋くんにウソついてもきっと見破られる。
綾が勘がいいように、
きっと洋くんも勘がいい。
だからヘタなウソはつけない。
かと言って本当のことを言うワケにはいかないし…
「はぁ~」
思わず、溜め息が溢れた。
『なぁ~に溜め息ついてんだよ』
と、後ろから誰かに頭を小突かれる。
って言っても誰かは分かっている。
こんなことをするのは…アイツしかいない。
「うるさい!タカ!!」


