『今日、俺は有休
んで、奥さんと子どもは友達と旅行中』
奥寺さんは微動だもしない私を見て、真剣な顔になる。
『息子たちが帰ってくるのは3日後
んで俺の休みも3日後まで。
すみれちゃんのために会社、休むんだ』
奥寺さんが私の隣に座った。
そして肩に手を回す。
背筋が凍り付く。
どうしたんだろう…私。
今まで何度も触れられたのに。
どうして、こんなに恐怖を感じてしまうんだろう。
『すみれちゃんち…行っていいかな?』
奥寺さんの目は笑っているはずなのに、鋭く、尖っていて。
私には頷く以外の選択肢は、なかった。


