私だけのスーパーマン






「やったー!

終わったよ、すみれ!!」


全部の講義が終わり、背伸びをする。


「すみれ、今日お茶しない?」


綾のこの言葉に即頷く私。

今日は図書館に行かずに綾と語ろう。


バイトもないしね。



「何言ってんの~」

なんて笑いながら大学を出る。



『………すみれちゃん』


突然、目の前にあの人が現れた。



「すみれ?誰?この人…」


綾は初めて見るスーツを着たサラリーマン風の人を怪訝そうに見る。

そして私の表情を読みとったのか、


「もしかして…奥寺、さん?」



『キミはすみれちゃんの友だちかな?

僕は奥寺


ちょっとすみれちゃん借りていいかな?』


奥寺さんは綾の返事も聞かず、私の腕を取った。



私は綾に何も言えず、奥寺さんのあとを追った。



どうしてここに、奥寺さんが?


仕事は…?

私になんの用があるの…??