『早く…っ!早く…逃げろ!
奥寺さん…っ!!』
目の前にいるのは…紛れもなく、泉さんだ。
そして、泉さんの立っているところに血が…流れていた。
『俺のことはいいから…だから、早く逃げろっ!!』
掠れた声で叫ぶ泉さん。
まさか…まさか…私の代わりに泉さんが…?
でもなんで?どうして…?
『早くしろ!逃げろっつってんだよ!!』
泉さんは思い切り叫ぶ。
我に返ったように奥寺さんは足を進め、放心状態の愛子さんを引き連れ、どこかへ行ってしまった。
「…………泉さんっ!!」
奥寺さんたちが去って行くと泉さんの足元がふらついた。
急いで泉さんを支える。


