「何を言われても私はあなたを許さない。

あなたさえいえなければ…


幸せのままだったのに…」


愛子さんは涙を拭った。

そして私に向って走ってきた。


あぁ…もうダメなんだ。私。

ここで、死んじゃうんだな。


もっといろいろやりたかったのに。

今度こそ、幸せになりたかったのに。


逃げるつもりはなかった。

全部、私のせいだから。


私の1つの行動で起こってしまった出来事だから。

受け入れるほかに、私に選択肢はなかった。





『……………キミっ!!』

そんな奥寺さんの声。




え…?刺された?

でも、痛くないよ、私。



ギュッと瞑っていた目をゆっくりと開けた。

その眼に飛び込んできた光景。


それは予想もできない光景で。


「…………っ」

あまりに衝撃的で声をあげることができなかった。