「タカ…なんか格好良くなったね」


講義が終わると綾が言った。

タカはもうここにはいない。


講義が終わったと同時に食堂へ走って行った。




「そう?前と変わらないでしょ」


そう答えた私。

だけど、内心綾と同じ事を考えていた。


外見は何も変わってない。

でも、内面が格好良くなっていた。


何がどう違って、

どこがどう格好良くなったのかは分からない。


でも、何かが違っていた。




「またそんなこと言っちゃって。


きっと…あんたのこと吹っ切れたんだよ、タカ」



綾はそう言って笑う。


そうかな。

そうだといいな。


タカにはきっと、いい子が現れる。

だからいつまでも私を想っていてほしくなかった。


でも、ちょっと淋しかったりもして。



なんだか最近の私って…欲張り、なのかな?