『別れろ。別れちゃえ。

もうやめたほうがいい。


そろそろ引き際だと思ったんだろ?』


タカは私の横に回り込む。

自然に綾とタカに挟まれるカタチになってしまった。



「まあ…うん…」

泉さんの過去の話を2人にできるワケもなく、タカの言葉に流される。




「やっと別れる気になったのね。

すみれも大人になったわね~」


綾は嬉しそうに笑った。



「だけど…」

私は伏し目がちに続ける。



「まだ、迷ってるの。

別れるって決めたところで言えるか分かんないし…」


そう言うと綾は机をバンッと叩いた。



「ならあたしが言ってあげる!

この綾様に任せなさい!!」



『バカじゃねぇーの』


綾を冷めた目で睨むタカ。



『ケジメっつーのは自分でつけなきゃ意味ねぇーんだよ。

なんでお前が言いにいくんだ、バカ』


「はぁ?!何よ、バカって!」


『バカはバカだろ?』


2人は言い争いを続ける。


でも、タカの言う通りだ。

ケジメは自分でつけなきゃ意味がない。


筋通さなきゃ…ダメなんだ。