『まず、約束して下さい』
冷蔵庫にあったコーヒーを泉さんの前に置いた。
『この話は、誰にも言わないこと』
私は頷く。
『そして、決して俺を見る目を変えないでほしい』
この言葉にも頷いた。
「何があっても私は今まで通り、泉さんに接します」
泉さんは私の言葉を聞いて息を吐き出した。
まだ、私に話すことを躊躇っているのかもしれない。
『俺の母親は…今、刑務所にいる』
そこから始まった泉さんの秘密。
それは、想像を絶する話だった。
もしかしたら泉さんはずっと、ずっと、苦しんでいたのかも…しれない。
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