「で、どうしたの?」

気を取り直して綾と向き合う。



「弟、うちの大学にいるんだけどさ…」



「え!?そうなの!?」


初耳だよ…今の。



「でさ、弟の友だち1人と弟とあたしとすみれでコンパしよっ?」


な…何を…っ!!


私は分かってるよ?

キミが何を企んでるのか。



「要するに、綾は弟くんの友だちのことが好きなんだ?」


だっておかしいじゃん。

2対2のコンパで相手の1人が弟くんって。


そんなの片方に目付けてるとしか思えないじゃん。


綾を見ると案の定、顔が真っ赤で。

私の予想、大正解。



「お願い!

どーしても、あの子とお近づきになりたいの!!」


綾は顔の前で手を合わし、必死で私に頼み込む。



「分かったよ、今回だけね」


綾の頼みだもん。

NOとは言えないでしょ?