『ライバルは俺だけじゃない。
奥寺ってヤツもライバルだ。
あと1人…いる』
振り返った荒川泉は微笑んでいる。
表情を崩すかと思ったのに…
『そうなんですか。
一応、聞きます。
それは…誰ですか?』
『すみれさんの幼なじみ。
姉ちゃんの話じゃ中学からずっと一緒で、格好良くて、モテるらしい。
んで、奥寺のことも知ってる』
荒川泉はまだ表情を崩さない。
『そうですか。
ま、関係ないです。
何人ライバルがいようとも、俺は誰にも負けない。』
最後に荒川泉は本当の自分を出した。
その目は本気で。
『俺だって負けない』
ムキになってそう言った俺はまだまだ子どもなのかもしれない。
それでも、負けたくない。
1番遠いのが俺でも、負けない。
すみれさんを振り向かせてみせる!!
―Side 洋 終―