遠慮がちに大豪邸の門を跨いでみると、そこはやっぱり二次元と間違えそうなぐらい豪華だった。
「こちらです。」
「あ、はい!」
「あははっ。緊張しなくて大丈夫ですよ。樹様はとてもユニークな方なので堅苦しい空気にはならないと思います。」
「あ、‥はい!」
同じ事しか言えなかった。
これから山崎さんは私の癒しになるような気がする。
デかい玄関のドアを山崎さんが開けると、そこにはメイドさんがざっと見て十人以上はいた。
思わず目を腕でこすったね、いやまじで。
「ビックリしました?」
そらもう、目が飛び出るぐらいビックリですよ。
「樹様は生まれた時からの富豪ですからね。わがままも多いんで色々と困りますよ。」
今の山崎さんに吹き出しを付けるならトホホ。と言ったところだろうか。
苦労が目に見える様に分かる。
「あっ、愚痴を言ってしまってすいませんでした。」
「いえいえ!山崎さんの素が見れたみたいでちょっと面白かったですよ?」
と、からかいながら山崎さんと豪邸を歩いていると一際大きいドアがあった。

