ストレートにイエスかノーかを言ってくれると思っていたから、そんなふうに返されるとは想像もしていなかった。
それに“食べない”っていう意味も分からなかった。いつもはその場でムシャムシャ食べるセイジが今年に限ってそう言うなんて。
やっぱり無理なのかな……。
「……カッコ悪いよな、俺って。ミクに言わせるなんて、結婚する前から旦那さま失格?」
もうダメだと思ったそのとき、頭の先までガクガク震えるあたしの耳にセイジの照れた声がはっきり聞こえた。
急いで顔を上げると、そこには温かい眼差しを向けているセイジ。
「俺からも言わせて。……結婚しよう、ミク」
そう言って“うん”と大きく頷くセイジ。そして、温かくて大きな手であたしを引き寄せてくれた。
「……うそ!?あ……あたしをお嫁さんにしてくれるの?」
喜ぶよりも先に嘘なんじゃないかって自分の耳を疑ってしまう。夢なんじゃないかって、どうしてもそう疑ってしまう。
「お前さ、うそ!?って……俺が嘘つきに見える?」
「ううん。……見えない」


